北朝鮮が中国を名指しで批判する論評を発しました。
こういったことは過去にはあり得なかった事です。
これまで過去においては、北朝鮮は中国を後ろ盾にして世界と交渉をしてきました。
同じ共産主義国家としてという体面もありますし、中国にとっては民主主義国家が前進してくるのを防ぐ緩衝材として北朝鮮が必要だという、地政学的なリスク回避の意図があるはずです。
これまでの関係を一切精算するかのような、今回の名指し批判。
中国は、北朝鮮にとっての最大の貿易相手で、60億ドル(6650億円)の全体額のうち、91%を中国との貿易に頼っています。(2016年)
朝鮮戦争時においては血の同盟とまで言わしめた両国間に一体何がおきているのか・・・・
北朝鮮がいくら駄々をこねても、名指しで批判しても・・・親として中国は北朝鮮を躾けることができるのか・・・?
北朝鮮が中国を名指し批判!原因と理由は何?
中国が北朝鮮と交渉をしている原因と理由
中国が北朝鮮に対して、核開発の中止を求めて水面下で交渉をしているのは周知の事実ですね。
アメリカは空母カールビンソンを始めとした第一空母打撃群の派遣や、B1-B戦略爆撃機の朝鮮半島の飛行、ICBMの発射等で最大限の威嚇行動を行っています。
しかし、実際の軍事行動に出ると韓国、日本を含め北朝鮮からの反撃等によりかなりのリスクを伴うために、中国に北朝鮮との交渉をさせている実態があります。
アメリカとしては、北朝鮮の核開発を辞めさせたい。
辞めなければ単独での軍事行動も辞さないと明言しています。
中国としては、アメリカ軍の軍事行動により北朝鮮を崩壊することは避けたい。
北朝鮮が崩壊する事で、西側勢力が中国東北部の直ぐ側までやってくることはどうしても避けたい・・・
そのためには地政学的に北朝鮮を活かして置く必要があるわけです。
そうすると、中国とアメリカの利害は一致し、中国が北朝鮮と交渉を行っているわけです。
トランプ政権としては、交渉により「核開発を停止させる」事で韓国や日本、そして自国艦隊等をリスクに晒す必要もなくなります。
トランプ大統領は、ツイッターやメディアへの回答として中国の習近平を褒め讚え、北朝鮮への交渉を後押ししています。
後押しと言うか半分脅しのようにも捉えられますけどね(笑)
北朝鮮が中国を名指し批判した理由と原因は何?
中国が北朝鮮と交渉していた目的は、北朝鮮における「核開発の停止」です。
中国と北朝鮮とでは、経済力や歴史的な背景などを考えても、「平等」な交渉ではないでしょう。
どちらかと言うと、中国側が北朝鮮に対して上から目線での交渉になっているものと想像します。
具体的には、「核開発辞めないと、経済制裁するよ。しかもこれまでしたことのないような規模のやつを・・・」といった感じでしょう。
前述の通り、北朝鮮にとっては貿易の91%が中国との貿易です。
経済制裁によってこれらを停止させられるのは、かなりのリスクのはずです。(通常の感覚であれば・・)
だからこそ、中国はトランプ政権と足並みを揃え、この交渉に大規模な経済制裁をちらつかせている訳ですが、北朝鮮にとってはこれが「朝中関係の赤い線(レッドライン)を中国が越えている」ということになっているようです。
さらに、北朝鮮側の主張は「核は尊厳と力の絶対的象徴であり、赤い線を越えているのはわれわれではない」とうことなので、中国がアメリカと連携して核開発の停止を求めている実態にかなり不快感を示しているようです。
さらには・・・「命のような核と引き換えに、物乞いをする我々ではない」とも表現しており、核開発の継続を示唆しています。
これまでさんざんトランプ政権から「レッドラインを超えるな」と言われていた北朝鮮が、中国に対して「レッドラインを超えた」というのは・・・正に・・おまいう・・・ですね。
※おまいう=お前が言うな、の略称・俗語
北朝鮮が中国を名指し批判!核開発停止交渉は失敗か?
この北朝鮮からの「おまいう」的な不快感の表明は、中国と北朝鮮の核開発停止の交渉が失敗したことを表しているのでしょうか?
先日北朝鮮の核実験施設では、屋外で職員がバレーボールをしている姿が衛星写真で確認されています。
こういった、陽動等も含め、北朝鮮側の発表が本来が何を示しているのかを理解する必要があります。
北朝鮮は、過去金正日時代のように、核開発を交渉のカードとして使うのではなく、核抑止力として使用するために開発しています。
その為、北朝鮮は核開発を行うことで強くなると信じていると考えられます。
即ち、核開発をすればするほど、核の開発を進めれば進めるほど、アメリカが攻撃できなくなることを知っているのです。
即ち・・・このままでは、核実験をしてしまうのではないかと私は考えています。
今この時点で、交渉が終了したわけではないと思いますので、まだ核開発停止交渉自体が失敗下とはいい切れません。
今後も粘り強く交渉は続けてゆかねばなりません。
まとめ
北朝鮮側がオフィシャルに発表する配信等は、正に「口だけ番長」な状態なので、その裏側の意図を汲み取る必要がありますね。
なかなかわかりにくいメッセージですが、アメリカと中国を同時に敵に回すのは通常の戦略ではあり得ないハズです。
戦略上必ず敵は一つにするものですね。
日本の視点で言えば、中国と喧嘩するのであれば、ロシアとは仲良くしておく・・・ような動きです。
いずれにしても、まだまだ緊張状態は続いており、朝鮮半島の危機は去っていないようです。
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